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豚肉の生姜焼き弁当と『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海

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みなさん、連休はいかがお過ごしでしたか?

お仕事のみなさん、お疲れ様でした!

連休を満喫しすぎて明日から仕事行きたくな~い、という人も気合い入れてがんばろー。

 

4月から新しい生活をはじめた新入社員や新入生、あるいは社会人などが、新しい環境に馴染めずに「なんだか学校に行きたくない」「会社に行くのが辛い」という人が増えるのがこの季節。これを社会では「五月病」という。

新しい環境に適応することも大切だが、「がんばらなくては」と思いこみすぎて自分を追い込むことはない。

馴染めないと感じているのだとしたら、その環境はあなたに向いていないものかもしれないのだし。

 

『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海

 中堅の印刷会社に、新卒で入社した隆。朝6時起床し、9時過ぎに退社し就寝するのは日付が変わってから。何時間も眠らないうちに、また今日が始まる。土曜日も日曜日もない。

自分に内定をくれた会社のために少しでも役立ちたい。入社当時に持っていたそんな気持ちは、上司に怒鳴られクレーム処理に走る毎日で消耗してしまった。

 

なんのために働いているのかー。

「会社」という現実に押しつぶされそうになる。

 

心も体も疲れきった隆は、駅のホームでふらりと電車に飛び込みそうになったところをひとりの男に救われる。

彼の名前は「ヤマモト」と言った。

隆の同級生だという「ヤマモト」に心あたりはなかったが、その気さくさに隆はほっとしたものを感じる。

ところが、調べてみると、そんな同級生は存在しないことがわかる。

ヤマモトはいったい何者なのか⁉︎

働きすぎの日本人に贈るハートフル小説。

第21回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉

会社がブラックだと感じたら

 「ブラック企業」という言葉を耳にする機会が増えた。

家族よりも仕事を重視しがちな(いまに始まったことではなく)わたしたちの働き方に関する意識を少しづつ変えていく必要はあるのかもしれない。

労働環境がおかしいかもしれない、このままで大丈夫なのかなと不安を感じたら、ひとりで抱え込まないことが大事です。

まずは第三者に相談してみること。

ブラックな環境では朝早くから夜遅くまで、一日の大半を会社で過ごすことが増えます。休日出勤をしていると、一年のほとんどの時間が会社と家の往復だけに費やされていることになります。これでは、当然人間関係が狭くて濃厚になりがち。

会社の人たちは、そのブラック環境に適応している人たちということになるから、自然と適応できない自分が「おかしい」のではないか、と思い込みやすくなります。

状況を客観的に判断して「それはちょっとおかしいよ」と言ってくれる、第三者の存在は絶対に必要。

『ちょっと今から仕事やめてくる』の中では、偶然現れた「ヤマモト」に主人公の隆は心を開き救われていきますが、現実社会で夜の駅のホームで見ず知らずの疲れきったサラリーマンに声をかけてくれる人はほとんどいないでしょう。

学生時代からの友だちや家族など、困ったときに気軽に相談したり愚痴を言い合える存在を大切にしてください。あるいは、仕事以外のコミュニティに参加するのもいいですよ。

学生時代のサークルのような感覚で、スポーツする仲間や地域の活動に参加するなど趣味でつながる関係性を積極的に作った方がいいです。

ブラック辞める勇気を

ブラック企業に押しつぶされそうになったら、我慢しすぎずに辞める選択を持つ勇気を。

会社に何と言われようと、やめてしまえば関係ありません。

日本は小さい国かもしれないけれど、それでもまだまだ働き口はたくさんあります。仕事をしていれば、多少辛いこともあるでしょう。しかし、心や体に異常が出るようであれば、無理に続けて自分を追い込むことはありません。

ブラック企業も、働く人がいなくなれば自然と淘汰されることになるはずだから。(理屈では)

働く人にとっていい会社が業績を上げていくようだといいんですけどね。

会社以外の居場所作りを

辞めた後で孤立しないためにも、先ほどから言っているように、相談できる相手を見つけたり会社以外のコミュニティに参加するなどして、社会と自分をつなぐ会社以外の「居場所」作りを心がけてみてはいかがでしょうか。自分を孤立させないことはとても大事です。

 

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