青りんごの本棚

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だれかと生きることの意味がわからない~『ひきこもりの弟だった』

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もうすぐ6月も終わってしまうというのに、カメラロールに撮りだめされたままの読書記録用picたち。

読書ノートに日付を入れていないから、いつ読んだのかもう不明。

美味しそうなこちらのpicだって、果たしてなにパンだったのか全く思い出せない。

うっすらと、あれはGWのころだったような。

美味しかったに違いない記憶は曖昧だが、しかし一方で、読んだ本は印象に残るものばかりで、振り返ると今年は泣いてる作品も多い。

涙腺のネジがゆるんでる人

こちらも、泣けてしょうがない好きすぎる一冊。←個人差があります

『ひきこもりの弟だった』葦舟なつ

2017-34冊目

誰をも好いたことがない。そんな僕が妻を持った。

雪の降る日。

プラットホームでうたた寝していた僕の肩を叩いて起こすと、彼女は三つの質問をした。

「彼女はいますか?煙草は吸いますか?最後に、あなたは……?」

僕の答えを聞くと、彼女・千草は「ケッコンしよう」と言った。

「私たちきっとうまくいくよ」その提案にぼくは乗った。

 

ひきこもりだった兄と、その兄を支えることだけが生きがいだった母。

ずっと嫌いだった家族。

そこに自分の居場所はない。

そんな僕が家族を持った。

 

だれかと生きることの意味がわからない。

そう感じている人には、胸に響くものがあるかもしれない。

わたしの中で今年のベスト5入り。

著者のデビュー作。次回作を楽しみにしてる作家さん。・